恐山菩提寺

27歳の誕生日に青森県の恐山を参拝してから、毎年誕生日(付近)で恐山を参拝しています。今年も無事29歳の誕生日を迎えたので、人生3度目の恐山参拝に行ってきました。さすがに3回目ともなると飽きが生じてきますが、今年はこれまでスルーしてきた太鼓橋渡りや恐山温泉入浴と新たなイベントも消化して、なんだかんだすこぶる楽しんできました。40枚近い写真と共に参拝時の様子をたっぷり紹介しますので、ご覧ください。

恐山行きのバスでは1つ手前の太鼓橋で降りるべし 罪人には渡れない太鼓橋を1年越しに渡る

太鼓橋

下北駅から恐山へはバスで1本。そしてここは終点の恐山停留所の1つ手前にある、太鼓橋です。その名の通り太鼓橋がかかっています。「罪人がこの橋を見ると、針の山に見えて渡れない」という逸話があります。昨年渡ろうとした際には突然のスコールに見舞われて渡ることができず、罪人疑惑が生まれてしまいましたが、今年は真っ先に渡ったので1年越しの汚名返上となりました。良い年になりそうです。

地獄の使者

橋の麓には我らが憎っくき地獄の使者、奪衣婆(だつえば)と懸衣翁(けんえおう)がいます。皆さんご存知、三途の川で待ってる顔が怖いコンビです。2人のコンビネーションは抜群で、まず奪衣婆が亡者の衣類を剥ぎとります。続いて懸衣翁が衣類を木の枝にかけます。その枝のしなり具合を見て、生前の罪の深さを調べます。計測が終わると、閻魔様とのご対面に続きます。生前の罪は随分などんぶり勘定で測られるのですね。勘弁して頂きたい。

太鼓橋と三途の川

太鼓橋の下を流れるのが三途の川です。つまり、この橋を渡ればそこから先は霊界。まさに霊場恐山のスタート地点なのです。なので、恐山参拝の際には、終点の「恐山」でバスを降りるのではなく、1つ手前の「太鼓橋」で降車し、橋を渡ってから入山して頂きたい。しかし年配の方がこの橋を渡っていると、止めたくなりますね(笑)

火山ガス立ち込める恐山

恐山菩提寺境内

入山料500円を払って今年もゲートインしました、恐山菩提寺です。相変わらずあちこちから火山ガスが吹き荒れ、硫黄臭が鼻をつきます。死者の魂が集まる場所ですが、不思議と心霊スポットっぽさはない気がします。

小銭の腐敗が進む

火山ガスのせいでお賽銭もこの通り腐敗しています。

火山ガスによって変色した土

地面に所々変色した土があるのも、火山ガスの影響でしょう。昔の人は火山ガスについて詳しくなかったので、これらの現象のメカニズムがわからず、「恐山=常識が通じないやべー場所」という認識だったそうです。

こちらにも変色した土

しかしこれだけガスが活発だと噴火を心配してしまいますが、噴火の記録は残っていません。つまり噴火恐るに足らず、というわけです。ただ火山ガスを吸い込みすぎると体調を崩す恐れがないこともないとは言い切れないかもしれないと言っても過言ではないので、参拝の際はお気を付けください。

恐山温泉で入浴 参道から見えてしまうギリギリ感がそそる

恐山温泉

恐山菩提寺境内には無料で入浴できる温泉があります。こちらは男湯。掘っ建て小屋風味で、内部には脱衣所も簡単なものしかなく、おまけに換気のため窓も開いているのでわりと簡単に外から見られてしまいます。

参道から見える温泉こんな感じで、観光客が大勢いる参道からこの薄い壁一枚隔てた先で全裸になるという、なかなか変態度の高い体験ができます。実際に丸で囲んだ売店にいるおばちゃんや、手水で手を洗う観光客とバッチリ目が合いました(笑)見られたくないけど見て欲しい!そんな欲情止まらぬ変態さんにおすすめの浴場です。

白色湯の温泉

なんてことを言うと怒られてしまいそうだし、誤解も生みそうなのできちんと紹介すると、普通の温泉だし、入浴している人たちも普通の観光客です。変態ではありません。私も裸一貫、入浴しました。そんなに大きくない浴槽なので、6人もいれば狭さを感じると思います。自分が入浴している間は3、4人くらいが出たり入ったりだったので快適でした。お湯の温度が熱めなので長時間入浴しにくく、回転率が高いかもしれません。

温泉の色は淡いブルー(?)で、極楽度は高いです。ここらの湧き水は火山ガスが混ざっていて、このような色になるそうです。当然この温泉も硫黄臭が強く、長いこと入っていると、入浴後もずっと硫黄臭がまとわりつきます(笑)と言うか、超長時間入浴し続ければ、溶けて死ぬのでは…。

ちなみに脱衣所はありますが(扉を開けるとすぐ)、タオルなどはないので自分で用意しましょう。

毎年恒例、恐山の地獄っぷりを楽しむ

恐山地獄の光景

ゴツゴツした岩場の隙間から、火山ガスの煙が噴き出す姿はまさに地獄です。そんな中、のほほんとから回る風ぐるまたち。「本当にこの世の景色か」と見紛うこの光景が好きで、毎年恐山に来ていると言っても過言ではありません。

朽ちた風ぐるま

風ぐるまは入場口の売店で購入でき、好きな場所に刺せます。元気に回る一方で朽ちて止まるものもあり、この対比がまた良い。不変に見える風車もやがて死ぬ。

殺風景な恐山

アップダウンのある地形が砂漠的な虚無感を感じさせてくれます。各々の道を行く観光客。

親子で恐山

彼らはどこからきてどこに帰っていくのでしょうか。私は愛知からきて、愛知に帰ります。

岩場

誕生日に恐山に行くことにしたのは、「生まれた日だからこそ、終わりについて考える日にしてみよう。どうせなら死を連想する場所で」と思ったことがきっかけだったんですが、今となってはそんなことよりも、この非日常感を楽しみたいという目的に変わってきました。

恐山と少しの植物

過去の記事でも言及していますが、恐山は火山ガスの影響で植物がほとんど育ちません。そしてご覧の通りの岩場なので、生命力を感じない異空間と化しています。

カラフル恐山

風車が植物の代わりになっているようにも見えますね。

積まれた石

この殺風景さと、生物が寄り付かない地形ゆえに、地獄の景色とも称されることがあるのです。

石を積んで風ぐるまを立てる

ところで積んである石を見ると崩したくなるのは、私が鬼側のマインドを持つ人間だからでしょうか。

石と風ぐるま

から回る風ぐるまと積まれた石。

見下ろすカラス

卒塔婆かな?慰霊碑かな?いずれにせよ、何か大きな柱の上に乗るカラス。無礼を感じないその姿勢は見習いたい。

霞む恐山

恐山のこの地獄の光景は意外と狭く、1時間もしないうちにぐるっと一周できてしまいます。

涙を流す地蔵

大きな地蔵

ルートから少し外れたところに、それなりに大きなお地蔵さんがいらっしゃいます。

泣いているように見える

雨の跡が残っていて泣いているようでした。だいぶ号泣。

そして宇曽利湖の極楽っぷりよ

宇曽利湖

地獄の光景を抜けると待っているのは宇曽利湖。相変わらず水が透き通っていて美しい。ウェイ系の観光客がこの光景を見て、「リゾートだ!」とウェイってました。その気持ちはわかる。しかし、前述の通りこの湖にも火山ガスが染み込んでいるため、強い酸性の湖なのです。なのでこの湖ではウグイと呼ばれる魚以外は泳げないそうです。成魚でも3日で死ぬらしい。当然、人が入った際にも死ぬ恐れがあるので、遊泳禁止になっていると思われます。

宇曽利湖を眺めるカラス

水辺にカラスがいました。このカラスは先ほどからちょいちょい写真に登場しているカラスでしょう。彼は恐山に住み着いているんでしょうか。密着してみます。

見るカラス

岩の上に乗り、宇曽利湖を見ながら黄昏るカラス。彼もまたこの景色を見て美しいと思うのでしょうか?水見るカラス。ミズ・ミルカラス。ミル・マスカラス…。

こちらに視線をやるカラス

なんて思いを馳せらせながらカラスの姿を撮影していると、気づかれてどっかに飛んでいってしまいました。カラスはいいね、好きな時に好きな場所に行けて。私は次のバスが来るまで恐山から出られません。

宇曽利湖の波打ち際でイトトンボの交尾を見守る

湖近辺の茂み

生物が少ない宇曽利湖ですが、茂みにイトトンボがたくさんいます。

恐山のイトトンボ

こちらがイトトンボ。名前の通り糸っぽい儚さをウリにしています。子供の頃はトンボ好きでよく捕まえてましたが、カマキリと同じ虫かごで飼ってたら、いつのまにか頭だけになって転がってたのを見てから好きじゃなくなりました。

それとはまた別の話ですが、トンボって食べる人を見ませんね。美味しくないのでしょうか。気になります。

後尾中のイトトンボ

蜘蛛の巣に引っかかって死にかけているイトトンボもいれば、交尾に励んでいるトンボもいました。生と死。

何人も語ることなし。見て感じて欲しい

恐山の景色 恐山の景色 恐山の景色 恐山の景色

恐山唯一の食堂 蓮華庵でざる中華を食べる

オゾレザン蓮華案にてざる中華を食べる

恐山飲食問題。

恐山は過去には鉱山としても有名だったそうで、昔は今よりも飲食店がちらほらあったそうです(中には遊郭もあったと聞きますが、真偽は不明)。ところが鉱山が閉山され、残った飲食店も高齢化で店を閉め、そんなこんなで今では恐山菩提寺手前の蓮華庵しかご飯を食べるところがありません。

以前私はここで山菜うどん、カレーと食べてきましたが、3回目ともなると次は何を頼んだら良いか悩んでしまいます。迷った挙句ざる中華なるものを食べました。中華麺をそばつゆで頂きます。まぁいつもながらの学食クオリティ(失礼)なんですが、なんだか懐かしい味がして、今年も精一杯生き抜こうと思いました。

霊場アイス

来年はいよいよ30歳になるので、30歳記念として恐山宿坊に宿泊しようと思います。よろしくお願いいたします。

この記事の撮影機材
カメラ:X-T20(最後の写真のみiPhone7)
レンズ:XF16-55mmF2.8

恐山菩提寺の詳細情報

公式サイト:社団法人 むつ市観光協会 青森県下北半島 霊場恐山 本州のてっぺん
住所:〒035-0021 青森県むつ市田名部字宇曽利山3−2
電話番号:0175-22-3825
場所:Googleマップで見る

営業時間:
入場料:500円

備考:今回入ったのは男湯でしたが、混浴もあるそうなので来年は必ず入ります。

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