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長福寺

名古屋の秋葉原こと、大須でございます。大須商店街にはパソコンショップやメイド喫茶から、買い食い形式の飲食店やらやおばちゃん向けの衣料品店まであり、わりとカオスな街として有名です。毎年開催されている大須大道町人祭なんかもすげえカオスな祭りです。

てなわけでこのところサブカルチャーに市民権を奪われているのですが、大須と言えば「大須観音」。そう、この街は元々寺院の街なのです。

大須観音の南の裏側には、長福寺というお寺があります。すぐ近くの大須商店街とは打って変わって、観光客も寄り付かないこの長福寺、通称七寺(ななつでら)と呼ばれるお寺の片隅には、これまたポツンと大仏様が佇んでらっしゃいます。今日はその、大須の大仏のお話し。

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珍しい!大日如来の大仏様

本堂とかすかに見える大仏

はい、長福寺でございます。最初の写真では緑々しい植物が写っていましたが、こちらの写真では冬真っ盛りですね。というわけで、この記事で紹介している写真には、夏に訪れたときのものと冬に訪れたときのものが混在していますのであしからず。

で、肝心の大仏はと言うと、写真左の木の陰にいるのがわかりますでしょうか。この大仏、ちょっと気づきにくい…。

大日如来

夏でも冬でも、こんもりとした木々の間で台座上で静かに座禅を組んでる大仏様。一見目立たないけど、台座含めて3、4メートルくらいはありそうです。大仏と呼ぶには少し小さいのですが、まぁ大仏と定義しちゃっていいでしょう。

大日如来のアップ

こちらの大仏様は、お釈迦様ではなく大日如来様です。大日如来は如来の一人ですが、密教においては万物全ての始まりであるとされていて、まぁすごい人です。ぶっちゃけ宇宙そのものです。原点にして頂点なので、どんなありがたい仏像も大日如来が姿を変えた姿だと言えます。その辺に置いてある地蔵も、実は大日如来です。ちなみにこの記事を書いている私、斎藤も大日如来の息子でございます。そしてこれを読んでいるあなた。あなたも大日如来の子供の一人なのですよ。

とまぁそんなわけで大日如来と簡単に言っても見た目はまちまちなのですが、基本的には髪型が螺髪ではなくストレートヘアで、如来の中で唯一帽子など宝飾品を身に着けているのが特徴です。あとたまに手の形が忍者のニンニンポーズになってることがあります。

木々の中に隠れる大日如来

また、大日如来って密教出身者だからか、大仏として派手に作られることが少ない仏像です。なので七寺のこの大日如来も、この程度の大きさでも大日如来の中では結構レアなのです。

ちなみに日本一大きい大日如来は、青森にある昭和大仏だと思います。これが20mそこらですかね。阿弥陀如来なんかは全長120mの牛久大仏がありますね。阿弥陀如来って「南無阿弥陀仏と唱えれば悪人でも誰でも救うぜ」っていうわりとアクティブな方なので、日本中で受け入れられて仏像もたくさん作られましたが、一方の大日如来って何やってる人なのかよくわからないし、大日如来=宇宙です、とか言われてもいまいちピンとこないからね…。

そんな阿弥陀如来のアクティブっぷりは仏像にも反映されていて、阿弥陀如来は立像の場合もあります。大日如来はやっぱりどっしりと座ってることが多いので、その辺の違いが大日如来の大仏が少ない理由になるんですかね。わからんけど。

大日如来の印相

印相は両手を重ねて親指を合わせる定印タイプです。大日如来なので法界定印(ほっかいじょういん)ですかね。仏像のポーズっていろんなバリエーションがあって、それぞれ意味があるのですよ。じゃあ法界定印の意味は何?と聞かれると、答えることができません。勉強不足ですみません!

戦争の爪痕が痛々しく残る大日如来

正面から見た大日如来

正面から。胴体に銅板の補修跡があります。どうも主に関節部分がめちゃくちゃ劣化しているようですね。

補修跡が目立つ大日如来の背中

背中にも補修跡が…。新日本プロレスのレスラーのように痛々しい姿をしてらっしゃいます。確かに露座の大仏なので経年劣化が激しそうですが、それにしても補修が激しい。調べてみると、どうやらこの大仏は戦争被害にあったようですね。

元々長福寺は山門や三重塔など七堂伽藍を揃えて、名古屋でも最大級のお寺として名を馳せていました。しかし名古屋城をはじめ名古屋中が焼き尽くされた1945年の大空襲で、長福寺の七堂伽藍もほとんどが焼失してしまったようです。その際に本尊で当時の国宝だった阿弥陀如来も焼失してしまったそうです。火災の中、なんとか脇侍の観音菩薩と勢至菩薩だけ持ち出せたそうで、この2体は今も拝観可能だそうです。住職は普段留守がちにしているそうなので、事前に電話予約すると拝観料500円で案内してもらえるそうな。こ、これは今度見に行こう…。

で、話を大仏に戻して。この大日如来は当時からこのように佇んでいたそうで、空襲の際には真っ赤に燃えてしまったそうです。しかし銅製だったことが幸いしてか、なんとか焼け残り現在に至るようです。

大仏の背中とっは思えないほど痛々しい背中

というわけでこの激しい補修も、空襲で焼かれてしまったためだったのですね。あまりにも痛々しい背中が火災の威力を物語っている気がします。

大日如来の穴

背中には穴まで空いていました。この大仏は中身が空洞みたいですね。

肩口から向こう側の光が漏れる

右肩部分を背中から見ると、向こう側の景色が見えます。ちょうど肩の部分ということもあり、甲冑みたいですね。

大日如来の腕にも補修

腕の部分は拘束具みたいにも見えます。まぁ、見えるからなんだという話ですが。それにしても程よい肉付きでたくましい腕。

腕の下に石が挟まっている

ちょっと面白かったのが、この腕と膝の隙間。微妙な隙間の間に石が置かれているのがわかりますかね?この石がないと、腕が重力に負けて落ちちゃうんですかね。またはその予防ですね。確かにこの大きさの仏像なら、腕と膝はくっつけるのが無理のない構造で普通だと思いますが、この大仏においてはあえて独立させているんですね。すごいじゃない!

仏像の乳首

おや!如来像にしてはこれまた珍しく、乳首がありますね。

アップで見ると涙を流しているように見える

アップで見ると、まるで涙を流しているようですね。いろいろと、大変だったんでしょうねぇ…。

足元に刻まれた戒名

大仏の足を見ると、何やら文字が書かれています。漢字だらけだったので、最初は漢詩かな?と思ったのですが、これ戒名ですね。なんでまた大仏様の刻み込む形で戒名が掘られているんでしょうか…。

大日如来の横顔

仏像と言えば白黒で撮影するに限ります。

引きの大日如来

そんなこんなで堪能してきました。こんなところに大仏があるとは思わなかったし、そのバックボーンも興味深い大仏でした。次回は観音菩薩と勢至菩薩を拝んでこようと思います。

長福寺(七寺)の詳細情報

公式サイト:稲園寺七寺 こちらかな?
住所:〒460-0011 愛知県名古屋市中区大須2丁目28−5
電話番号:052-231-1715
場所:Googleマップで見る

営業時間:不明
拝観料:500円

備考:甲冑みたいな大仏なので、頑張れば着れるかも。